物覚え雑記帳

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【ClipStudio】WEB掲載用漫画の見栄えアップに関するトピック集

 

この記事はHow toではなく個人的な研究(?)メモです。WEB掲載用(電子出版ではなく縮小してアップする個人的な類のもの)の漫画の見栄えに関するトーンワークなどの話や、縮小にあたっての加工方法やサイズについての話。誰かの参考にもなればと思い、書き出すことにしました。

 

※あくまで縮小して掲載するものを想定した話です。電子出版や同人誌などの紙媒体には当てはまらないことも多いので留意してください。

人さまの漫画や自分で試してみてこれは良いなと思った見栄え増しテクなんかをメモしていきます。雑多ですが一応大分類の見出しをつけておきます。

 

トーンワーク関係

基本的な網点トーンのモアレ・見栄え問題

トーンを縮小する時にモアレを軽減させる方法」を参照いただくと分かる通り、通常の網点トーンは縮小するとモアレます。

50~70線辺りはガウスぼかしで軽減させても、チェック柄のようなパターンが出てしまったりして、個人的にはとても気になります。

だからといって線数が多いものだとほぼグレーと変わらないため、あまり情報量が増えず、描き込みが少ない場合シンプルになりすぎてしまうのが悩みでした。

これを少しでも改善するための代替案を紹介します。

 

代替1:42.5線を使う

上記の記事のサンプル画像を見ると、42.5線なら高さ1000px程度に縮小しても、あまりモアレないことが分かりました。更にトーンらしさも残っていて、グレーよりは情報量が上がりそうです。ただしドット感が強いため、線の細さによっては少しうるさすぎる印象になってしまうかも…。

 

代替2:砂目(ノイズ)トーンを使う

網点トーンの代わりに砂目(ノイズ)トーンを使うという案。ほぼグレーになる網点よりは情報量が増す気がしますね。「砂目トーンの出力縮小サンプル&印刷確認用画像」に素材パレットの砂目トーンを一覧にした画像があるので、よろしければご参照下さい。

このトーンはキャンバス上の縮小表示と実際に縮小出力または印刷したイメージとで印象が結構異なるのが難点ですが、一度原稿用紙全面に出力したものをラスタライズして素材登録し、それを画像素材として使えば出力時と近いイメージになります。

ラスタライズはしていませんが、ノイズトーンのレイヤーセットを貼り付けられる素材を配布しているので、これを使えば多少手間が省けるかも。(後でラスタライズ画像版も追加したいとこですね…。)

 

代替3:グレーで塗ってノイズを乗算する

こちらも網点トーンは使わず、好みの濃度のグレーで塗っておいて、その上にノイズを乗せるという案。

グレー(トーン)部分にだけの方が良さそうですが、最終加工で全体に乗せるのもアリかも。ASSETSでノイズテクスチャをDLしてきて、トーンをまとめたフォルダにクリッピングする形で乗算やオーバーレイで重ね、不透明度を下げて調整するのが良いかと思います。

出来栄えとしては砂目トーンとさほど変わらない気もしますし、手軽さでいえば砂目トーンの方ですが、キャンバス上のイメージの誤差の少なさはこちらの方が勝りますね。

個人的には「ありえん深みのあるノイズ」(有償)を薄っすら重ねるのもアナログ感が出て良いなと思いました。

 

代替4:カケアミor点描トーンを使う

網点トーンの代わりにカケアミや点描トーンを使用する案。

といっても影や肌などには向かず、背景や服などに網点トーンを使う代わりに…といった感じ。柄トーンや雰囲気トーンよりは主張がおとなしく、かつ寂しくない仕上がりになります。グラデーションも網点トーンのものより若干華やかな印象。

ASSETSで配布されている主なカケアミトーンは「ASSETS(素材) カケアミ&斜線トーン」にまとめていますのでご参照下さい。カケアミ&点描のグラデーションも公式から無料で沢山配布されています。→公式配布のベーシックなトーン素材

 

タッチトーン・ブラシを使って情報量アップ

 思いっきり人さまの受け売りなんですが、風景(背景)絵の影部分などに通常の描き込みに重ねて手書きタッチ系のトーンを貼ると情報量がアップして良いという話を聞きました。

具体的には「ペンタッチトーン」「手書き斜線」「723手描き壁面カゲ」「カケアミ集中(薄め)」「ストローク長め手描き斜線セット」「手描き斜線ブラシ」「手書き斜線トーン2種」「斜線と集中」「汚しや影線!建物描写素材セット」あたりでしょうか。

影の代わりにざっくり重ねて端をカケアミブラシなどで削って整えると、ひと手間加えて描き込んだように見えます。線の角度を変えると更にバリエーションが出せます。

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縦向きのトーンを45度にしてみた図

また、背景だけでなく人物にも、手で描き込む余裕がなかったり苦手だったりする場合はブラシなどで一気にタッチをつけるのもおすすめ。

濃度10%の影トーンの代わりに「細めのカゲ線ブラシ」「手書き風質感ブラシ」「ざらめ斜線ペンセット」「細斜線ブラシセット」「ざっくり直線リボンブラシ」のような手書き風の線で塗ると描き込んだ感が出せます。

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ざっくり直線リボンブラシを1ストローク描いた後、適当なカケアミブラシでざっくり削った図。このようにして背景の建物の隅などにも。

具体的な作例があまり示せず恐縮ですが、プロの作品でも見かけるので、色々探して真似てみたいところです。

 

ベタの端処理やトーン削り

情報量アップには欠かせないベタ全体やベタ端への処理。

ベタ全体に使える素材は「ベタの情報量アップに役立つ素材」にまとめています。

ベタ起こし・グラデや端の処理の方は「カケアミブラシのまとめ」を参照下さい。

 

以下はほぼ単なる個人的な悩み話になるので、読み飛ばしていただいて結構です…。

ベタやトーンを削るためのブラシって迷いませんか?プリセットの「雲ガーゼ」「カケアミ(トーン削り用)」「カケアミ薄」辺りは使っている人もよく見ますし、割と勝手が良いとは思うのですが、万能ではないなと。私はあまり線を重ねないので、削りやベタ端処理、雰囲気系のブラシでも、線が太めだとあまり合わない(ペン画の方が負ける)ことも多いんですよね…。なのでなるべく細かめかつラフ過ぎないものを選んでいますが、WEB公開用に縮小したら滑らかでタッチが殆ど出てない、逆にそこだけラフっぽすぎる、なんてこともあって悩ましいです。

 

最終的な加工例

TwitterやPixivに公開されている漫画を見て、良いなーと思った加工例もいくつか紹介しておきます。

 

線画やトーン、枠外に色をつける

カラー漫画ではなくモノクロで描いたものに色を付ける形。線画とトーンで別々の色を付けているのも見ますね。ただ1,2pの漫画ならいいなと思いますが、それ以上となると少し読みづらさを感じる気も…。

可読性にはあまり関係ないもので、枠外だけを薄めの色で塗り潰すのもお気に入り。ちなみに手軽な方法としては、「一番下の用紙のサムネイルをダブルクリック→色を指定、コマ枠フォルダのサムネイルをCtrlキーを押しながらクリック→枠内が選択されるので、用紙の上に置いた新規レイヤーに白塗り潰し」です。

テクスチャをつけて紙面風に加工

単純にわら半紙や少しざらついた用紙風のテクスチャを重ねている方もいますし、ASSETSで配布されている「再生紙印刷風加工アクションセット」を使用して漫画雑誌風に加工している方も見たことがあります。読みやすさは少し落ちるかもしれませんが、雰囲気が出て良いですね。

 

縮小・出力範囲に関して

見栄えとはあまり関係ない話ですがついでに。

 

上でも挙げたことですが、WEB用に原稿用紙サイズで描いた漫画は、縮小の際網点トーンがモアレしてしまいがちです。そんな時は「漫画を縮小させた時のトーンのモアレを解消する方法」を試してみてください。

縮小サイズですが、あまり大きいと印刷してもそれほど荒くならないため、悪用されてしまうなんてこともあるようなので注意が必要です。(勝手にネットプリントで再配布されたり最悪販売されたり…。)

個人的な感覚としてはTwitterやPixivなら高さ1000pxもあれば十分綺麗かなと。(それでも印刷には足るかもしれませんが…。)

 

なお、クリスタのPRO版を使っていて出力範囲が指定出来ないという方は、あらかじめアクションを作っておいて使用すると楽です。B5専用になりますがASSETにて無料配布もしているのでよろしければどうぞ。

 

文字ばかりの記事になってしまいすみません…。なにかひとつでも参考になれば幸いです!

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