原稿用紙の設定で作成した漫画で、通常のアミトーンを使用した場合、そのまま縮小するとモアレてしまいますよね。だからといってグレー化するのもなんだか惜しいし、同人誌のサンプルなどでは変換の手間もかかります。この記事ではトーンのモアレを少しでも解消する方法と出力サンプルを紹介します。
2023.06.13 縮小アクション素材の紹介を追加しました。
モアレを軽減する方法
一言でいうと、縮小する前にガウス処理をかけると多少解消されます。
ClipStudioで行う場合、以下の手順になります。
- 「レイヤー」→「表示レイヤーのコピーを結合」で完成原稿の結合レイヤーを作成(これを行えば元のデータは結合されずに残ります)
- 「フィルター」→「ぼかし」→「ガウスぼかし」で数値を5~7程度にして実行
- このデータを書き出し時に縮小する
ただし、残念ですがこれでも完全にモアレを防ぐことは出来ません…。以下に出力サンプルを掲載します。
出力サンプル
以下は原稿サイズB5仕上がり600dpi、ガウス5→シャープ強、出力範囲:トンボの内側までで出力したものです。
レイヤーのトーン化機能を使用した場合
出力サイズ指定:高さ1000pxの場合
出力サイズ指定:高さ1200pxの場合
素材パレットのトーンレイヤーを使用した場合
出力サイズ指定:高さ1000pxの場合
出力サイズ指定:高さ1200pxの場合
(用意された線数がレイヤーとトーン化で違っていてすみません…。)
ご覧の通り、トーン素材かトーン化か、縮小率によって多少差が出るようです。トーン素材の方が比較的綺麗ですね。
使っている線数によって解消される縮小率を探してみるか、掲載用だけ線数の設定を変えてみると良いかもしれません。WEB掲載用であれば、最初から縮小を見越して「42.5線」で作成しておくのも、トーン感も出て良いのではと思います。
関連記事:【ClipStudio】WEB掲載用漫画の見栄えアップに関するトピック集
縮小アクション素材の紹介
クリスタASSETSにて、WEB掲載用縮小のモアレ軽減アクションもいくつか配布されているので紹介しておきます。それぞれ具体的にどういう処理をしているのかは見ておらず、上記のように完全に防げるものではないと思いますが、そのまま縮小するよりは綺麗になるはず…。
(現状だとどれも無料です。)
一番下はちょっと変わり種ですが、ガウスぼかしアクションが入っているので多分モアレ低減もされます。