【ごく個人的な備忘録】試行錯誤のメモや設定値などの作業雑記です。
今回は BlenderでClipStudio用の3Dのベッド素材(枕と布団)を作成した際の話。
作成した素材はこれ↓
問題は枕と布団
以前も作ったのに…
今回のベッドサイズはクイーン。枠組みとマットレスは以前規格に合わせて作ったものがあったので悩み無し。で、問題は枕と布団。
枕は綺麗にベッドメイキングされている場合、全体的な輪郭はある程度整っているし、布団共に布のシワの描き込みなどは、作画の好みもあるのであまり入れない方が良い気がする。かといってシワも一切ないシンプルな図形というのも需要は少なそうなので、緻密ではないが自然な、丁度良い歪みやシワがある枕と布団を作りたい。
以前にもシングルベッド版を作成していて、その時はクロスシミュレーションを利用して試行錯誤の上、なんとか妥協できるものが出来た。なので今回は簡単…と思いきや、完成ファイルしか残っておらず、物理演算の設定など丸々分からなくなってしまっていた…。枕はシングル版と同じサイズなので完成版を転用すれば良いのだけど、満足な出来でもなかったので改めて挑戦することにした。
枕の作り方
クッション類の作り方は日本語でも多く公開されていて、複数の方法がある。以前作成した際一番納得いく出来だったのが、クロスシミュレーションで圧力を利用するというもの。参考にさせていただいたのはこちらの記事↓
blenderでクッションを簡単に作る方法 – Ceriseworks
で、ただ作るだけなら簡単なのだけど、設定値が問題。上記の通り輪郭の歪みとシワは極力少なくかつ自然な形にしたい。
まず面の分割は少なめにして、サブディビジョンサーフェスを値2で追加。
シミュレーションの設定は、コットンの値だとシワが出来過ぎるため、ジーンズとラバーの値でやってみたりと試行錯誤を繰り返し、最終的に落ち着いたのが以下。
端は少し荒れていたが、手で修正すれば十分と判断した。
クイーンサイズなので2つ欲しい。物理演算って細部の結果はランダムに出来ないの…?(無知)仕方ないので複製したのち180度回転し、更にスカルプトで適当に端を変形したり微かな凹凸を追加したりで完成。
布団の作り方
布団も厚みが欲しい。ざっと見たHowToではクロスシミュレーションでの作成で厚み付はしていないものが多く、羽根布団のような厚みのあるものの作り方はなかなか出てこない。クッションと同じように圧力を使えば作れそうな気がして、以前作成した時に頑張ったが、自分のPCでは演算にかなり時間がかかるため数回の挑戦を繰り返したのちギブアップしてしまった…。膨らみを保ちつつ上手くベッドの上に乗って端はシワを形成しながら垂れ下がる、というバランスが難しく、ほぼ完全にしぼんでしまったり、ベッドの上でバウンドしてどこか行ってしまったり…。惜しくはあったので調整次第だったのかもしれない。
ということで妥協で作ったのが、クロスシミュレーションで平面をベッドに掛けたあと、ソリッドで厚み付けをしたもの。シワが多い場合は使えないだろうが、今回は少ない設定なので大丈夫。あまり厚みが出ると破綻するため3cmと毛布くらいの厚みしかできなかったが、かえって丁度良いのかもしれない…と思うことにした。
なお、シミュレーション時セルフコリジョンを設定しないと端が折れ曲がって自分に貫通したりもするので注意。またどうしても端がめくれ上がったりもしたので、最終的には自分で頂点を調整した。
折角なのでベッドメイクされた版も作成することに。枕は使い回しで回転させて立てかけ、更に以前作成した少し形の違う枕をスカルプトで細部を変形して追加。
布団は頭側を折り返したデザインにするため少し縮めたあと、もう少しシワを減らすため今度はラバーの値で作成。また厚みをつけた後、頭側の表面の一列目を押し出し→その側面を足側に押し出し。折り曲げた部分の端が角張るので、ループカットで辺を追加し少し拡大して丸みをつけ、完成。
上の側面図の布団の端を見ると、頂点の重さが重すぎたせいかベッドの側面に沿うような凹凸が出来てしまっているが、演算からやり直す気力がなく気にしないことにした…。
余談
このモデル、足側の布団の両端の折れ曲がった部分など、見る角度によっては輪郭線が結構カクついている。サブディビジョンサーフェスを更にかければかなりマシにはなるが、素材用のFBXで出力した場合ファイルサイズが数MB単位で増える。クリスタ用の素材はなるべく軽くする必要があるので、今回は目をつむることにした。LT変換の際気になる人には手で修正してもらう事にして…。
あと今思うとベッドのヘッドボードが低過ぎたかな。このくらいのものもあるけど、もっと高い方が見かける気がするし、バランス的にも良さそう。それに漫画背景に使う場合は少しの差だがより余白を埋められるし…。後でアップデートで高さを変えられるようにするのも有りかも。
ベッドはデザインのバリエーションも需要があると思うので、枕と布団は転用でフレームのデザインが違うものも、今後いくつかアップ出来たらと思っている。