物覚え雑記帳

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本当に「漫画が描けない」人への手引き

 

世の中には「絵は描けるけど漫画の描き方が分からない」という人向けに、初心者用の漫画の描き方講座が沢山公開されています。しかし、大抵は道具の使い方やコマ割りのコツ、話の構成などばかりで、「それ以前の点でつまずいてるんだよ…」と思ってしまった人も結構いるのではないでしょうか?

 

私自身がそうでした。「本当に漫画が描けない」人だった私は、まず「絵と台詞」をどのように時系列のある形(コマ)に落とし込んでいけばいいのか?が分からず、いざ描いてみようとした時に漫画の始まりをどうしたらいいのか(どんなところから漫画を始めればいいのか)と考えてつまずいていました

そんなとこから?と思う方も多いでしょうが、実際そういう人を他にも何人か見かけたことがあるので、今回上の太字部分に心当たりがある「本当に漫画の”作り方”が分からない」方向けに、「具体的にどうしたら漫画形式のものを作れる(ようになる)か」、私なりに手引きを記事にしてみることにしました。

今の私はというと一応「数十ページの漫画らしいものを描ける」ところまでは進歩しました。今回は「最低限漫画らしい形のものを作る」という初歩中の初歩の話なので、私の漫画力は不問とさせてください…。それとこれは、絵は描けるのが前提の話となります。

 

 

何を描く?まずどう描く?

「漫画が描けない」人に多分ありがちな悩み2つ、「漫画を描いてみたいけど話が思いつかない」「話はぼんやりあるけど漫画形式に落とし込めない」。別の悩みのように聞こえますが、両者が「漫画を描く」ための最初の一歩はほぼ同じです。

まずは「描きたい1カットを考えて」「その前後のカットを考え」「並べる」ということをしてみましょう。以下詳しい説明をしますが、正直この一文が全てで後はほぼ蛇足かもしれません。

 

最初に「1カット」を想像しよう

「お話」が思いついていない人、それでも「このキャラにこういうセリフを言わせたい」とか「こういう事をしているところが見たい」とかならありませんか?「お話はあるけど漫画形式は…」という人、その中で具体的にイメージ出来ているシーン(画面)はありますか?

まずはそれを1カットの絵として想像しましょう。

「漫画を描く」となると、ストーリー全体を思いついていないと…と思うかもしれませんが、初めはもっとハードルを低く、「描きたいシーンだけを描く」で良いんです。

 

以下「シンデレラ」を例えに用います。先ほどの前者は「ドレスの女の子が逃げ出すように階段を駆け下りる」絵だけ思いついているとします。後者は「魔法で着飾った女の子が時間切れのため王子様に別れを告げて逃げ出す」という話だけ思いついていて、具体的なカットを考えた結果、前者と同じ絵を想像したとしましょう。ここからは両者同じです。

 

そのカットの前後を考えよう

次にそのカットの前後の出来事を考えます

階段を駆け下りるのはなぜですか?直前に何があり、その後に何が起きるのでしょうか?「ストーリー」でなく具体的な1つの出来事でOK。ここでは直前は「王子様にさよなら!と言う」、直後は「片方の靴が脱げてしまう」と考えたとします。

そして一つ前と同じように、それを具体的な絵として想像します。絵も初めは簡単で良いです。「前」は「王子様+台詞を言う女の子」、「後」は難しく考えずに「脱げた靴と裸足のアップ」でも、その子の足と分かるように描けば一応伝わるはずです。

 

3つを順に並べよう

極端な話、その3つの絵を時系列順に並べるだけで漫画になります

3つの絵=コマを縦に並べただけでも一応は漫画の1ページとして成立します。ただ、例の3コマでは流れが唐突で淡々とし過ぎる気がしますね。慣れた人なら最初からスムーズな流れのコマを考えられると思いますが、描けない人だと大体こういう事態になると思います。

 

「間」のコマを考える

なので、コマの間に更にコマを補足してみましょう

適当に考えると、1コマ目と2コマ目の間として「呼び止める王子の顔」のコマ、2コマ目と3コマ目の間として「つまづいて『あ!』となる女の子の顔」のコマでしょうか。

あらためて計5コマを並べると、3コマの時よりは多少スムーズで感情の動きが足されたように見えると思います。(作例はないので実際に描くか想像してください…。)

 

コマの大きさと配置を調整しよう

絵が揃ったところで、あらためてコマの大きさや配置を考えていきます。基本的には重要なコマを大きく、そうでもないコマは小さくと考えて、ページ内に配置していきます。つまりコマ割りです。

今回の例では最初に考えた3つが比較的大きめで良いのではないでしょうか。勿論2ページに分けても構いませんが、1ページにするなら大体こんな感じのどちらかとか…↓

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コマ割りのルールやコツは別の講座を見ていただくとして、これで一応1ページ漫画らしいものを作ることができました!

 

この繰り返しで漫画が作れる

例で出来たのは尻切れのワンシーンではありますが、この後の展開の描き方も、頭から終わりまで出来ているストーリーを形にしたい場合でも、それが短いシーンでも長いお話でも、基本的には同じことです。

始まりから考えなくても、主要なカットから具体的な前後のできごとを考えて繋げていき、流れがスムーズでなければ補足を追加し、それをコマ(ページ)に流し込めば形にできます

ちゃんとしたお話にこだわらないなら、キリの良い流れを考えてそこだけ描けば良し。気軽に繰り返していけば段々慣れていって、長いお話やきちんと構成されたお話を作ることもできるでしょう。

 

気をつけたいこと

最低限気をつけたいこととして「誰が・どこで・何をしているかが分かるように描くこと」を挙げておきます。詳細までが分からずとも要は「何が起きているのか」が分かるように描くことです。これを意識すれば必要なコマや情報がなんとなく分かってくるはずです。

 

楽しく描けるようになろう!

漫画が描ける人には当たり前過ぎて逆に何を言っているんだ?という話だったかもしれませんが、私自身がこの考え方でやっと描けるようになってきたという経緯があるので、この記事が誰かのお役に立てることを祈ります。最初はこの小さなことを沢山考えていく連続というのが大変で1,2ページでも一苦労でしたが、段々慣れてきて「漫画を描く」ということに身構えてしまう気持ちも薄れていきました。今同じ悩みを抱えている方も、この先楽しく描けるようになりますように!

 

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