私は2016年から同人誌(漫画)を年2,3冊出してきたのですが、丁度コロナが流行り出した2020年頭から約2年半、同人活動をしていません。というか、落書き漫画ですらほぼ描かなくなってしまいました…。こんなブログやってるくせに…。
時間が無いわけでもないので、また描きたいジャンルが出来たらやりたいな~といった感じなのですが、このままだとどうやって時間をやりくりして本を出していたのか忘れちゃいそうだったので、思い出がてら作業の流れや時間の使い方などを書き出してみることにしました。
同じように時間がそれほど取れない中で同人誌を出したいという方など、何か参考になることがあれば嬉しいです。
基本的な条件
基本的な条件はこんな感じ↓
- フルタイムワーカーで平日原稿に取れたのは3時間程度。土日は1日8~12時間くらい。
- 原稿期間は2か月~1か月半くらい(だったはず…もうちょっとかかった時もあったかも)。ページ数は本文20~30前後だけど描くのが凄く遅くてペン入れ1pに多分4時間くらいはかかってた。
- お昼休み(昼食含め1時間)にスマホを触る時間はある。
- 下書きから完成まで全部CLIP STUDIO。
ネタ出し
まず、私のオフ同人活動の目的の第一は「同人誌を出したい」だったので、お話を作るのは超苦手でした…。
なので、普段思いついた小ネタをメモしておいて、それをいくつか組み合わせ、中間と帳尻を合わせてなんとか十数ページ以上の形にしていました。小ネタでも前後の状況を考えれば結構なんとかなるもんです。ちゃんとしたストーリー漫画を描きたい人には通用しなそうですが…エロメインの本がほとんどだったし…。
でも、お話が思いつかないけど同人誌を出してみたいという方も、このくらい気軽で良いと思うんです。1pネタの詰め合わせでも8pあればちゃんと本になります。
なお、ネタメモには「Simplenote」というアプリを使用。名前の通りごくシンプルなメモ帳なのですが、スマホとweb版があり、自動で保存・同期をしてくれるので、隙間時間数十秒でちょこっとメモすることも出来てメモ全般で重宝しています。
プロット・ネーム
これも一般的な漫画の描き方(?)とはちょっと違うようですが…。私はプロット・ネームに当たる作業はスマホのみを使って、ほぼスキマ時間の積み重ねで完了させていました。
どういう流れかというと…
- メモを読み返して小ネタを組み合わせたり、ネタ1つに前後を付け足して引き延ばしたりして、1つのお話の流れを作る。オチが出来てなくてもある程度ページが稼げそうだったら一旦そこまでで良し(エロ漫画だったので…)。
- 具体的な出来事や動作、台詞などを詳しく書き下す。
- それらを1コマずつに分ける。こういう絵にしようというのが思いついたら、絵でなく言葉でカッコ書きでメモする。いきなり絵にしようとすると、イメージと合わせるのに夢中になったり、何度も描き直す必要が出てくるため。思いつかないとこは重要そうでなければ飛ばしちゃう。または大ゴマで、引きで、などの指定だけとか。
- 考えたコマをページごとに分ける。頭の中でコマ割りを考えて、これもまだ絵にはせずに、コマの割り方だけ忘れないよう図にしておく。
※Simplenoteとコマ割り図のメモに使っていたアプリは「出先でスマホだけでネームを作る方法(アプリと小ワザ紹介)」の方で紹介しています。
そして、帰宅後や休憩中などPCかIPadにさわれる時に、クリスタで原稿ファイルを開き、ストーリーエディターにネタの書き下し文を丸ごとコピペ。台詞だけでなく動作などの指定やコマの絵のメモも全てです。(台詞と区別がつくように記号をつけたりカッコ書きにします。)
※ストーリーエディターって何?という方はこちらをどうぞ。
エディター上で台詞とモノローグをある程度整え、ページに合わせて分割したら、個別ページを開いて、テキストオブジェクトの配置をコマ割りに合わせて動かします。動作や絵の指定の文は、邪魔にならない位置に添えておきます。
同時にコマ枠も割っていきます。(自作の原稿テンプレを使うのですぐに割れる状態です。)絵のイメージがある程度決まっているところや、言葉のメモでは忘れそうなところは、ラフも描いていきます。移動や拡縮が手軽にコマ単位で出来るよう、1コマごとに別レイヤーに。ラフが描けた部分の言葉でのメモは勿論削除していきます。
これは1pでも決まればその都度(クリスタに触れる時間が出来次第)行っていました。というのも実際に線を引いてテキストを配置してみると、意外と文字が多いなとか、これじゃ絵が描ききれないなとか、逆にスカスカ過ぎるかもなどと修正箇所が出てくるので。なるべく小分けに作業すればコマ割りの修正が楽ですし、イメージした絵も早くラフに出来ます。
このようにして、ネーム(?)と原稿ファイルの制作を進行していました。
下書き〜仕上げまで
そんな風にコマ割りどころか下手するとお話も最後まで完成してない状況でも、その先の作業をどんどん進めていきます。
先にお話を作りきってネームを終えて…というのが一番だとは思いますが、なにせクリスタに触れられる時間は限られています。クリスタが必要無い作業は出来るだけ隙間時間に回して、触れる時はその時にしか出来ない作業を進めていくことで、時間のロスを防いでいました。
こんな方法は勿論、ちゃんとしたストーリー漫画や商業的な作品には通用しないと思いますが、気楽な同人誌だったら人によっては時短や効率化として参考になるところもあるんじゃないかな~と思います。
流れは以上で、以下にはちょっとした時短や効率化のコツなどをいくつか。
時短・効率化になりそうな小ネタ
- 調子が良い時には絵を描き、どうしてもやる気が出ない時にはふきだし描きやトーン貼りなどのあまり頭を使わない作業と、出来るだけ毎日ちょっとでも手をつける。サボると精神が追いつめられるタイプの人におすすめ。
- 手をつけるページは頭から順とはこだわらず、すぐに埋められそうなコマ、重要そうなコマを優先して描く。重要なコマは後で見返して修正したくなりがちなので、先に出来ている方が後悔が少ない。どうしても構図などが思いつかないコマはラフすら後回し!どうでも良いコマであれば最悪素材を貼って誤魔化したりも出来るので大丈夫。
- 更に締め切りギリギリになりそうだと思ったら、出来るだけ終わりの方を優先して描く。途中で雑な部分があっても終わりの方が丁寧なら、結構ちゃんとして見えるので…。
- ふきだし描きは、ふきだしで隠れる部分を無駄に描き込んでしまうのを防止するため下書きより先にやる。ふきだし入れたら思ったより絵が入るスペースが少ない…というのを避けるために、ラフより優先することも。
- トーンや仕上げは前述の通りある程度はランダムにやるものの、終盤はなるべく出来がまちまちにならないように進める。残り日数をみながら、髪や服など最低限必要な部分は最優先に、ちょっとした影や背景の柄トーンなどは最悪無くても大丈夫なので後回しで。
他、クリスタに関することについては、「【ClipStudio】漫画原稿の時短効率アップ!トピック集」にまとめてあるので、あわせてご覧いただければ。
ざっと思い出せたのはこんなところです。私は長年同人誌に憧れながら、ネタが思いつかないから自分には無理と諦めてきたというのがあるので、同じような思いの人がこれなら自分もいけそうかもとハードルを下げて挑戦してくれたりしたらすごく嬉しいなと思います。