2021年10月頃に、twitter上でBuhitterというWebサービスが無断転載かのように問題視されたり危険性を訴えるツイートが拡散されていて色々思うことがあったので、整理兼メモとして書き出した記事です。
Buhitterやそれを注意喚起するツイートを見て怖い!不快!どうしたらいいの!?と思った方も、放置で良いやと思った方も、一度目を通していただければ幸いです。
2022/6/9 公式に問い合わせて詳しい仕様を訂正しました。一度ご覧になったかたも是非お目通し下さい。
- Buhitterとはどういうサイトか?
- 削除したツイートも表示される?
- センシティブな内容を含むツイートは?
- Buhitterに拾われることで…
- Buhitterに拾われなければ安心?
- でも「まとめ」は勝手では?という方へ…
Buhitterとはどういうサイトか?
Buhitter公式いわく、「Twitter上で公開されている画像からイラストだけを検索できるサイト」。自動で作品やキャラ名等のタグづけや紐づけがされ、アカウント単位の集約ページも生成されるため、Twitter上のイラストを検索したい方には便利ですね。(精度の問題で現状では写真なども抽出されています。)
サイトの見た目や拡散されているツイートのおかげで画像を転載したまとめサイトのように思われがちですが、実際はTwitterの利用規約に則り、APIという仕組みを使用してツイートを表示させる形のサイトで、違法性もないようです。
サイト上に表示されるツイートの画像はTwitterのデータベース上から「呼び出されている」だけです。Bhitter上の画像のURLは、Twitter上の該当ツイートの画像のURLと同じです。画像を拡大表示しようとクリックした場合は、その場では見れずTwitter公式に飛ばされます。
本文の方はBuhitter上に保存されていますが、これはTwitterの引用機能を利用しているためです。Twitterのツイートは、「外部のページにツイートを引用された(埋め込まれた)場合、そのアカウントが非公開に変更されても、該当ツイートが削除されても、ページ上に引用されたツイートの本文だけは残り続ける」という仕様なのです。ただし、削除済みのツイートは自動で検出し、Buhitter上からも削除されるとのこと。
Buhitterトップには様々なツイートや関連するタグがずらっと表示されていますが、表示されているツイートのユーザー名の文字をクリックすると、そのユーザーの「まとめページ」が表示されます。私が確認した限りではBuhitter上でアカウントIDで検索してもこのまとめページは検出されず、辿り着く方法は単体ツイートのユーザー名からのみのようでした。ただしGoogleなどの検索エンジンで「Buhitter @アカウントID」で検索すると、そのアカウントのまとめページが出てくることもあります。
危険性は?
当記事への検索ワードで多いのが「Buhitter 危険性」…。個人的にはあまり想定できないと思います。長いですが以降をお読みいただければ、どうしてそう言えるのかお分かりいただけるかと思います。
削除方法は?
以前は問い合わせにより、収集ツイートの削除や今後収集されないよう依頼することも可能でしたが、今現在は事情により対応不可となっています。後述するように、非公開アカウントにするか、ツイート内容に作品・キャラ名などを入れないようにするなどで対策するしかないと思います。
ただ、以降をお読みいただければ、本当に削除が必要なのか、ここに収集されることで想定される危惧はあるのかなど、多少整理が出来るかと思います。
削除したツイートも表示される?
Buhitterについて「削除したツイートも表示されていた」などという声がいくつか見られましたが、実際具体的にはどうなのでしょうか。
Buhitterに収集されたツイート
公式に確認したところ、1日~数日程度のラグはあるものの、削除済みツイートは自動検出をしてBuhitterからも本文ごと削除されるそうです。
ツイート削除後、Buhitterの検索結果上からも消えるまでの間は、画像だけは先に「NO IMAGE」に差し代わります。これも数分~数時間のラグがありますが、こちらはTwiter側のラグでしょう。
自分のアカウントのまとめページを確認したところ、一年以上前に削除済みのツイートも残っていたのですが、これは自動検出からの漏れによるもののようです。公式に問い合わせたところ、「削除されたツイートを検索対象にしておいても意味がないので、削除済みツイートがしばらくしても削除されないようであればご連絡下さい」とのことでした。
ただ削除依頼を停止されてしまった経緯もあるので、あまり多くの人が手軽に送ると煩雑になり対応が滞ったりして、いざ重大な内容の削除依頼(個人情報や法的に関わる事など…)が必要になった時に困るなどの可能性も考えられるので、あまりに長期間残っていて気になる場合くらいにしておいた方が良いかと個人的には思います。
鍵(非公開)アカウントは?
非公開アカウントである限り、新たにツイートを拾われることはないそうです。
ツイートが既にBuhitterに拾われている場合も、非公開に変えれば、反映までにラグはあるものの検索結果には出てこなくなるとのこと。まとめページも非公開化が検出され次第削除されるようです。
試しにアカウントを非公開に変更し、少ししてまとめページを確認したところ、画像のみ非表示(破損ファイル表示)になり、本文は表示されたままでした。これは引用されたツイートは非公開になっても本文だけは残るというTwitter側の仕様と、自動削除検出のラグのためでしょう。
検索エンジンでの検索結果
もうひとつ、言われていた「削除したツイートも表示されていた」というのが、「検索エンジンの検索結果に削除したはずの画像が表示されていた」という意味であった可能性も考えられます。
google画像検索では、既に削除されているものでも、キャッシュが表示されてしまうことがあります。これはgoogle側の問題で、期間はまちまちですが、Buhitter上から消えているならいずれは消えるはずです。キャッシュをなるべく早く消したい場合は、googleの「古いコンテンツの削除」からリクエストを送りましょう。他のサーチエンジンでも似たような機能はあるかもしれません(未確認)。
なお、キャッシュ画像は解像度が低く、拡大してもかなり荒れており、キャッシュ画像を保存して転用されるという心配は考えにくいでしょう。
センシティブな内容を含むツイートは?
画像表示部分には「センシティブな内容を含むツイートです。」という文のリンク、ツイート本文が入る部分には「表示するにはログインして設定を変更してください」と表示されるようです。リンクをクリックするとtwitterへのログインが促されるページに飛びます。
Buhitterに拾われることで…
Buhitterに拾われることでメリットとデメリットになりそうな点を考えてみました。
メリットになりそうな点
今現在のTwitterの検索機能は、用意されているはずのコマンドもろくに機能しなかったり、タイミングによって表示されたりされなかったりと、かなり酷いです。またタグ付けしたツイートも、ものによってはタグをクリックしても全く表示されなかったりもします。その点Buhitterのまとめがあれば、漏れはあるにしろある程度古いものも手軽に辿れて便利です。
また、まとめページはページ分割されるので、メディア欄を新しいものから延々と辿るよりは探しやすいというのもあるでしょう。
更にpixivや個人サイトなどに作品のログをまとめていない方でしたら、このアカウントのまとめページが手軽なギャラリーや以前あったモーメントの代わりとして使えるかもしれません。
デメリットになりそうな点
これは上記の情報でお分かりかと思います。削除済みツイートが自動削除から漏れて長く残ってしまうこともありますし、Twitter上とラグ・差異が出てしまうのは困りものですね。更にgoogle画像検索などでは、Twitter自体よりBuhitter経由のものの方が残りやすそうなので、そこも人によってはかなり気になるところかと思います。
Buhitterに拾われなければ安心?
Buhitterの注意喚起ツイートにより散見されたのが、自分の知らないところで表示されるのは嫌、こっそりやってるのに困る、このサイトから転載されそうだから、削除してもらったから安心、など…。
そもそもTwitterは鍵をかけずにツイートしていれば、検索エンジンなどに拾われる可能性があります。Buhitterも結局はTwitterから情報を収集して整理の上表示しているだけなので、他の検索エンジンで検出されるのとさほど変わりないとも言えます。
Buhitterから除外したとしても、他の検索エンジンや類似サービスによりTwitter以外で表示されることは十分にあり得るということです。
隠れたい、あまり他人に見られたくないと思う人は、まず鍵を付けず全体公開にするのは止めるべきでしょう。特に作品名やキャラ名などを添えてツイートしているなら、あらゆる検索エンジンや類似サービスに拾われる可能性は格段に上がります。
google検索などでは実際のツイートURLよりBuhitterや類似サービスのページの方が比較的引っ掛かりやすいようですが、それはまとめページの性質上長期間情報が変わらないため残りやすいとか、Twitterでは名前の変更や鍵の開け閉め等の変化により検索結果が比較的更新されやすいとか、単にクロールの頻度が違うなどという理由があるのかもしれません(全て憶測ですが)。今後ツイート自体の拾われやすさが変化する可能性もあります。なのでTiwtter上のツイートは拾われにくく安心、とも言えないでしょう。
もうひとつ、「このサイトをきっかけに転載されそう」という危惧。Buhittter上なら人気作のピックアップや独自のタグ付けもあるため、Twitter上で漁るよりは集めやすいというのはありますが、それが転載を促すことになるかは疑問です。前述の通り画像自体はTwitterからの呼び出しですし、画像検索のキャッシュ画像も低画質で使い物にはならないでしょうし。
でも「まとめ」は勝手では?という方へ…
実は利用規約で利用を認めてしまっている
結構重要かと思うので引用させていただきます。以下のすぴかあやか様のツイートをご覧ください。
Buhitter(ぶひったー)は無断転載でも引用でもないよっていう話を書きました。 pic.twitter.com/fZgNtPmF32
— すぴかあやか(角田綾佳)@キテレツ (@spicagraph) August 3, 2018
勿論、いくらTwitterの規約上許可されているとはいえ、心情的には外部サービスにまで利用されたくないというのも理解できますし、他人のコンテンツを利用したサービスとして削除対応も不可なのはいかがかとも正直思います…。いかに説明されても最初に受けた悪印象や不信感はなかなか覆せないでしょうし、運営者に対する心証なども影響するところかと思いますが、折角なので少し別の見方として私の考えも添えておきます。
まとめというけどこういう見方も…
※この記事を書いた後に、外部ページに引用されたツイート本文は削除済みでも残り続ける仕様であることを知りました。
削除したツイートはBuhitterからも自動削除されるとはいえ完璧ではなく、また現在は削除していないツイートとまとめの削除も不可なので、以下の比較は流石に実情とは多少異なると思いますが、一応過去の考え方として残しておきます。ご了承下さい。
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「勝手にまとめページを作った上に広告で利益まで得ている」という方もいますが、通常の検索エンジンも同じように広告利益を得ていますし、Google検索などは本文どころか画像もキャッシュ(複製)しています。
Buhitterの方はBuhitter上に勝手にまとめページを生成していますが、検索エンジンの方もユーザーの意思とは無関係に勝手にTwitter上をクロール(巡回)して情報を収集し、それが検索ワードに該当すれば部分的に引用表示するという仕組みなので、そう考えると実質似ていませんか?
個人的にはBuhitterのようなサービスはTwitter限定の検索サイトのようにイメージしています。勿論それでも他者を利用しているという印象を拭えない方もいるでしょうし、サードパーティーであることは確かなので、怒りや文句も完全な筋違いではないとは思いますが…。
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長くなりましたが手助けになれば幸いです。
もし誤った情報などありましたら、お手数ですがコメント下さいますようお願いします。