BlenderMarketで販売中のリアルな空が作れるアドオン「Physical Starlight And Atmosphere」が1.4にアップデートされ雲が実装された。
現在はまだbeta版らしいが一応なんとか使えたので、1.4ver時点での使い方や機能を出来る限り詳しく解説していく。
製品紹介と概要
Physical Starlight And Atmosphere ($58 ※2021/07/16現在)
「Physical Starlightand Atmosphere」は太陽の動きと大気をシミュレートしてリアルで美しい空を作れるアドオン。24時間の空、星、霧を手軽に再現出来る。今回は更に雲の機能も実装された。ちなみに地球のみでなく火星などもシミュレート可能。EeveeとCycle両方対応。
使い方・解説
インストールすると「Atmosphere」と「クラウド」のタブが出来る。
それぞれのタブの一番上の「Physical Atmosphere」「Physical Clouds」にチェックを入れると有効になる。レンダービューにしないとビューポートに反映されないので注意。
公式サイトのDocumentationにも一部項目の解説があるがひとつずつ紹介する。なお出てくる図は全てCyclesでのレンダービュー。
Atmosphere
↓タブの全体。
↑の画像では設定上半端に日本語化されているが、本来の英語表記で説明。
Presets
「Earth」「Mars」「Nishita」「Retrowave」の4つ。地球、火星、西田モデル(日本の研究者が作った古い方法らしい…)、レトロウェーブ風。
Sun
azimuth(方位角)… 太陽の軌道の方角の指定で、丁度0度にするとY軸上、90度にするとX軸上を太陽が通る。
Elevation(標高)… 太陽の高さ。90度が真上で正午、180度が日没。
Sun Disk / Sun Lamp … Diskは太陽の表示のオンオフ。Lampは違いがいまいち不明…
Angular Diameter(角直径)… 表示される太陽の大きさ。
Temperature K(色温度/ケルビン)… 数値が低いほど赤、高いほど青寄りの色味になる。
Intensity(強さ)… 太陽の光の強さ。下げるほど暗くなる。
(※Binary Sunは割愛。まだ実験的な機能みたい。)
Atmosphere
Density(密度)… 大気の密度。値が高いほど下の「Color」の色合いが強くなる。
Scale Height(高さ)… 水平線の滲み(ボケ)具合。高いほどくっきり。↓左:100m、右:1000m
Intensity(強度)… 値が高いほど空が白む。
Color(色)… 大気の色。
Inscattering(散乱色)/ Absorption(吸収色)… 説明が難しいので図で。
左端がデフォルトで、散乱色と吸収色を変えたもの2色ずつ。
Mie Scattering … ミー散乱という光の現象。霧などの表現用かな?これも図で。Intensity(強度)の値=左がデフォルトの3で右がMAX。
Anisotropy(異方性)はちょっと違いが分からなかった。ごめんなさい。
Stars
Procedural(プロシージャル)とテクスチャと無しが選べる。
Radiance Intensity(放射強度)… 星の輝きの強さ。
Radiance Gamma(輝きのガンマ値)…ガンマ補正なので上げるほど弱い光の星が消えていく。下げると微細な星も表示されるように。
Ground
Color(色)… 地面の色。
Ground …チェックを外すと地面が非表示になる。
Ground Offset(地面のオフセット)…スクロールでの上限が0m。1mなど+の数値を入力すると水平線に地面が近づくが上限を超えると下図右端のように真っ白に。下げると地面が下がっていく。
Horizon Offset(水平線のオフセット)… 下げると水平線の位置が上がり、上げると位置が下がる。
Toggle Material Fog … ボタン形式で「fog to all the materials」とある。霧に関するもの。公式の説明(図有り)。
Artistic Controls
どういうものかいまいち分からなかったので図で。
Distance Scalar(距離のスケール?) …
Falloff(減衰)…
Sun Radiance Gamma(太陽の放射照度のガンマ?)…
Physical Clouds(雲!)
※1.4 bata版での説明であり、今後大幅な変更が入る可能性有り。
↓雲は別タブで存在。
※現状Cylesは未対応。反映されずノードを修正する必要がある。…しかし上のリンクで紹介されているように修正しても上手くいかなかった…。現状Eeveeでやるしかないのかも。
Cloudsの項目については公式の説明がある。クラウドノイズテクスチャというもので実装しているらしい。パラメーターをいじってみると確かに1つのテクスチャで表示を調整している感じ。
Scale(大きさ)… 雲の大きさ。
Thickness(厚さ)… 雲のテクスチャの濃さっぽい。ガンマに近いかも。
Coverage(範囲)… 雲量の最小値と最大値。
Lighting Intensity(照明強度)… 雲の薄い部分の明るさ。上げるほど明るくなる。
Self Shadowing(セルフシャドウイング)… 雲自体の影。上げるほど暗くなる。
Lighting Directional Power(照明指向性パワー)… 違い分からず。ごめんなさい。
Inscattering(散乱)… 雲の色合い。
実際に色々作ってみた例
BlenderMarketの製品ページでも作例が色々見れるが、自作のものもいくつか貼っておく。オブジェクト無し&夕方ばかりだけど…。雲有りのものはEeveeで出力。
ちょっと気を付けたいこと・個人的感想
レンダービューで確認しながら調整する必要があるアドオンなので、スペックが貧弱なマシンだとパラメーターひとつ変更するだけでも結構もたつくので注意。
有料アドオンの中ではお高めの部類だが、時間経過を表現するにはかなり有効だし、素敵な空を手軽にシミュレーション出来るのは楽しい!
ちなみにアドオンを購入したのは1か月くらい前で、その時はまだ前バージョンで雲の実装前。アップデートには最近になってやっと気づいた…。待望されてた機能みたいだけど、まだ知らない人も多いんじゃないかなあ。