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【ClipStudio】「囲って塗る」ツールの使い方と設定解説

 

クリスタでは通常の塗りつぶしの他に「閉領域フィル」という、ツールで囲った内を特定の条件で塗り潰す機能があります。いわゆる「囲って塗る」ツールのことです。有名な素材では「隙間無く囲って塗るツール」がありますね。

慣れるととても便利なのですが、塗り潰される条件が分かりにくく、塗れない、思うように使えない…という方も多いようなので、解説や便利な使いどころ、配布ツールをまとめました。

クリスタ初心者も一度使おうとして挫折した方も、ポイントさえおさえれば誰でも効率的に手早く使えるようになるはずなので、是非チャレンジしてみてください!

(2022.08 記事大幅改訂/誤りを修正しました。申し訳ございません。

 

 

 

公式の解説ページ

正直「囲って塗る」ツールの一番分かりやすく詳しい解説は、公式ガイドです。

塗りつぶしツールを使いこなす②閉領域フィル "ツール設定・色塗り #5" by ClipStudioOfficial - CLIP STUDIO TIPS

…が、当記事を覗いている方はそれをきちんと読んで把握するのが面倒・難しい!という方だと思うので、特に汎用性が高そうな設定の解説を以下にまとめました。

 

「囲って塗る」とは?基本の解説

「囲って塗る」は、フリーハンドで囲った範囲内にある、閉じた領域=「閉領域」内に色を塗るというツールです。「閉領域」とは線画など色のあるピクセルで囲まれた範囲のことです。

 

注意すべきは、閉領域かどうかは、囲んだ範囲内で判定されるということ。この辺りが「囲って塗るができない!」という方の主なつまづきポイントかと思います。

 

例えば、下左図のピンクの線のように囲むと、右図のように塗り潰されます(一設定の例)。左端の丸はピンクの線内では閉じていないので、閉領域ではないと判定され、塗り潰しがされません。

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設定は違っても基本的には囲った範囲内でどうかで判定されます。

しかし設定を変更することによって、塗りつぶしの対象色や参照レイヤー、隙間を無視する程度、塗りつぶし領域の拡縮などを調整することが可能です。

 

特に有用そうな「対象色」設定3種

「囲って塗る」ツールの一番重要な設定項目は「対象色」

塗り潰しの対象範囲を指定するもので、種類が豊富なのですが、今回は誰でも使用する可能性が高そうなもの3種に絞って解説します。

 

設定3種の比較図

まずその3種の設定の違いを図でお見せします。グレーと白のチェック部分が透明です。

注意したいのが囲った範囲右側。四角内の三角は閉領域ですが、設定2の場合それを形成している線が範囲内に入り切っていないため、閉領域と認識されず塗られません

 

言葉でもう少し詳しく解説します。個人的に対象色の設定名では条件が思い出しにくいため、私はツール名を自分にとって分かりやすいものに変更して、3種個別に登録しています。折角なのでその名称も添えてみました。参考にどうぞ。

 

設定1「透明以外には閉領域にも」

自作ツール名:「有色+閉領域

  • 囲った範囲内で閉領域になっている透明部分に選択色が塗られます。
  • 有色部分は、囲った範囲内で閉領域になっていなくても、選択色が上塗りされます。

設定2「透明以外と内部の透明」

自作ツール名:「閉領域内

  • 囲った範囲内で閉領域になっている透明部分に選択色が塗られます。ただし、閉領域を構成している線が全て収まっていないと(有色部分が透明ピクセルに囲まれていないと)塗られません。
  • 有色部分は、囲った範囲内で閉領域になっていないと(囲った範囲内に完全に収まっていないと)、選択色が上塗りされません。
  • アンチエイリアスがかかった描画の一部分が範囲に入った場合、「色の誤差」の数値に関係なく、塗られません。(「すべての色を対象」であれば、「色の誤差」の数値によって塗りつぶす閾値を調整出来ます。)

設定3「透明部分のみ」

自作ツール名:「閉領域内透明

  • 囲った範囲内に完全におさまっている閉領域内の透明部分にのみ色を塗ります。

(なお、私が登録しているものは、「色の誤差」を大きくして半透明色も透明判定に+「領域拡縮」を上げて塗り潰し範囲を拡張するという設定にしています。なので実際には線画部分にも少しだけ色がはみ出します。)

 

3つの使いどころ

上記3種の主な使いどころの例を挙げておきます。

設定1:イラスト下地に

イラスト全体の下地など、線画の下にまできっちり色を置きたい時に。ただし、範囲内の線画の下や既に塗られている部分全てが塗り潰されてしまうので、パーツなど部分的に塗る際には設定3がおすすめ。

設定2:細かい飛び地の塗り潰しに

使用頻度は微妙かもですが、周囲を完全に透明で囲まれている(飛び地になっている)箇所を塗り潰す時に有用。囲みきれていない部分は無視されるため、線を細かく避けて細い隙間をなぞったりせずに、周囲の線を少し巻き込んでしまってもOKなので楽。

設定3:パーツ塗りやトーン貼り

既に不透明な色がある部分は除外されるため、有色部分に隣り合った領域向き。線画内の細かい部分やトーン貼りなどに。領域を少し拡張させて使うのがおすすめ。

「白と透明部分のみ」の設定にして、白以外の有色部分を別扱いにするという使い方をしている方もいるようです。

 

「対象色」のその他の設定について詳しく知りたい方は、公式解説ページをご覧ください。全ての図説がもっと詳しく記載されています。

 

使う都度調整すべき設定項目

「対象色」の設定は挙動の差が大きいので、設定ごとにツールを複数用意した方が良いと思いますが、その他の一部設定はサブツールパレット上で都度切り替え・調整しながら使用するのがおすすめです。重要なのは以下の項目です。

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設定項目(サブツールパレット)

「隙間閉じ」

閉領域の隙間を閉じているとみなす(無視する)度合いの設定です。閉領域とみなしたい範囲の隙間に応じて調整しましょう。

「色の誤差」

「対象色」の設定にもよりますが、アンチエイリアスなど、半透明の(不透明度が100%ではない)ピクセルを、塗る対象に含めるかどうかの閾値の設定です。細かい部分が塗り潰せない場合などは、ここを調整してみてください。

「領域拡縮」

塗り潰す範囲を拡大・縮小することができます。塗り潰し範囲が線よりはみ出してしまう時や、もう少し広めに塗りたい時などに調整してみてください。「拡縮方法」も3種オプションがあります。

「参照しないレイヤー」

複数参照に設定している場合、参照したくないレイヤーは非表示にすれば除外されますが、それ以外にもここでオンにした種類のレイヤーを参照の対象から外せます。左から「下書き」「文字」「編集」「用紙」「ロック」レイヤーとなっています。

「用紙」レイヤーは色付きゆえ有色と見なされるので、複数参照と対象色の設定によっては注意が必要です。基本的にはオンにしておいた方が良いかもしれません。

レイヤーを非表示にすると分かりにくくて困るという場合は、「下書き」「ロック」で対応すると良いでしょう。「文字」はふきだしレイヤーごと無視してくれるので、原稿の時などに便利です。

 

自作が面倒な方に

自作が面倒な方の為に、上記3種の設定の囲って塗るやそのペン版、消去版、ついでに図形での通常の塗り潰しツールなどのセットを無料配布しています。

囲い塗り消しツールセット

 

有名カスタマイズ版「囲って塗る」

ついでにASSETSで大人気のカスタム版「囲って塗る」2種。

「対象色」の設定は、上は「透明以外には閉領域にも」、下は同じものと「透明以外と内部の透明」「白と透明部分のみ」になっています。

 

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なかなか奥深く難しいツールですが、使いこなせるととても便利なので、是非頑張って慣れていきましょう!

 

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