先日カップケーキの3Dモデルをアップした際、仕上げサンプルとして簡単な加筆をしてみて結構楽しかったのと、「食べ物を描く時に使えるブラシ素材(漫画向け)」をまとめて実際何か具体例をやってみたいと思っていたところ、タイミング良く良い感じのケーキの3Dモデルがアップされてるのを見つけました。
試しにLT変換からの加筆をしてみたら、時間と手間を殆どかけずとも結構良い感じにクオリティアップ出来たので、折角なので素材の紹介を兼ねて出来た絵を上げてみることにしました。何か参考になれば嬉しいです。
お借りした3Dモデルはこちら。
Cake Set II - CLIP STUDIO ASSETS (clip-studio.com)
無料で今後も変更されることはないそうです。
テクスチャは写真から作られているだけあってリアルめ。パーツはケーキ1つごとに分かれていたので、非表示にしたり上手く移動させて使用する事も可能。
記事にする予定は無かったので、LT変換直後の画像と設定のスクショは取っていませんでした…。大体元図をそのままモノクロ諧調化した感じと想像していただければ。設定はテクスチャとトーンワークの諧調をちょっとずらしたり間引いたりしただけです。既にそのままでも良さそうなクオリティではありましたが、折角ならもう少しハイライトなどが欲しいところでした。
で、ちょこちょこ思いつくままに加筆して出来た図がこちら。
加筆部分は、細かいハイライト、チョコケーキのベタ部分の反射、タルトの果物の反射と影足し、チェリーのトーン足し(全面ベタだった)、ロールケーキの上面・側面の削り、左一列のケーキの側面の削り。
使ったブラシは以下だけ、だったはず。
- ベタ用の自作ペン(極太から極細まで筆圧だけでカバーできるブラシ)
- プリセット「雲ガーゼ」「砂目(トーン削り用)」
- ベタをカケアミっぽくする消しゴムの「かけ20mm」
小さな円形の反射部分の境界(チェリーと切った果物)は手書きで馴染ませたけど、もう少し大きかったら「手描きフラッシュ」みたいなブラシを使っても良いかも。一番加筆の技術が問われそうなタルトの苺とキウイが、反対側で見えなくなってしまったのが勿体ないですね…。
光源は特に気にせず本当にざっと適当に加筆しただけで、かかった時間もせいぜい1~20分程度だったと思いますが、元の3Dの出来が良いおかげでいかにも3D…な感じはしないと思いますし、十分な出来ではないでしょうか!食べ物は滅多に描かないので嬉しくなっちゃいました。
しかしやはりクオリティは元絵の良さに大きく依存するところ…。自作のシンプルなカップケーキの3Dモデルではこんな感じに↓
形状もテクスチャも最低限のシンプル具合な為、上のケーキと同程度の加筆では厳しかったです…。素材サンプルの規約の縛りでプリセットと自作のブラシしか使えなかった事もあり…。
食べ物は描き込みの多くない絵に合わせたい場合、写真の加工だと浮かない程度にまでディテールを下げるのは、人によっては一から描くより手間に感じることも。そのため自作モデルのテクスチャも、あえて写真を使わずシンプルな絵にしているのですが…今後作るものによっては使った方が良いかなとも思えてきました。もっとも今のところ作りたいものはないですが。
なかなか機会が無いとはいえ、リアルで美味しそうな食べ物の描き方ももっと研究したくなりました。